奥長良川県立自然公園は長良川とその支流の吉田川や板取川流域と,その水源の山岳地帯を主体とする面積約3万ヘクタールの公園です。
 約1,670mの標高差があるこの地域では,標高で異なる気象条件による動植物の変化が見られます。
 上流域は大日ヶ岳や烏帽子岳(えぼしだけ)などの古い火山から成り,白鳥町から下流域は堆積岩類(たいせきがんるい)に,流紋岩や花崗岩が分布した山地から成っています。これらの山地を長良川やその支流が浸食することにより,美しい渓谷や滝を作り出しています。
 なかでも中流域の瓢岳(ふくべだけ)の南斜面を流れる支流の片知川(かたちがわ)は,白亜紀末期の流紋岩溶結凝灰岩(りゅうもんがんようけつぎょうかいがん)が川底に露出したり,巨大な岩となって点在して,独特の渓谷美を作り出しています。
 片知渓谷と呼ばれるこの一帯は,遊歩道も整備され千畳岩などの巨岩の間を増水時にも濁ることがない清らかな水が流れ,訪れる人々の目を楽しませてくれます。

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