板取川は,岐阜県と福井県の境に連なる両白山地に源を発し,多くの渓流を合わせながら断崖の渓谷や多くの淵や瀬などの美しい景観を作りながら板取村・洞戸村を流れ下り,美濃市で長良川に注ぎ込む全長37.3Kmの一級河川です。
 板取川の源流部は,原生林を含む広葉樹林が広がる山々です。特に福井県境の左門岳から流れ下る川浦谷は7Kmにわたり高さ30mあまりの断崖が連続し,春は新緑・秋は紅葉と季節の彩りを見せる周りの山々と相まって,まさに神秘的ということがぴったりの秘境といえます。また,板取川は,川そのものが岐阜県の名水に選ばれるほど,清らかで豊かな水量をもっており,夏になるとキャンプや水遊びを楽しむ家族連れや若者などで,大いににぎわいます。また,途中で出会う高賀渓谷一帯は古くから高賀神社を中心とする高賀信仰で知られ,多くの人々が訪れます。洞戸村を過ぎたあたりから板取川は穏やかな流れになり,川では鮎釣りやアジメドジョウなどを獲る登り落ち漁の仕掛けをあちこちでみることができます。そして,美濃和紙の産地で有名な美濃市牧谷地区を通って長良川に合流します。この地区で和紙の生産が盛んになった要因の一つに板取川の清流があることはいうまでもありません。
 豊かな自然に恵まれた板取川は,人々に安らぎを与えると共に生活の場を提供する川といえます。

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