山県市美山町の尾並坂峠に源を発した武儀川は南東へ流れ,美山町谷合で支流の神崎川と合流し,途中日永川,西洞川,エゴ川等の支流を合わせながら,南東に向って流れる,流路延長24.219メートル,流域面積164.4平方キロメートルの一級河川です。
 支流の神崎川は,山県市美山町北部の伊往戸川と円原川の2本の谷川が神崎で合流し,美山町谷合まで南下して武儀川に合流する清流です。石灰岩地帯を流れるこの川は所々伏流して流れるため,きれいで冷たい流れが特徴となっています。中でも円原川は秀逸で,伏流して,水がまったく見られない川が続いた下流の岩の間から冷たくきれいな水が湧き出すさまは実に神秘的です。この川の水は年間を通じて13度の水温を保ち,水質も良いため,古くから円原地区住民の生活用水として利用され続けています。
 一方,武芸川町谷口に至ると川幅も広くなり,両岸にはかなり広い河岸平野が形成されます。小知野あたりまで来ると武儀川の流れは一段と緩やかになり河幅も広まり,河原や中洲が形成されています。
 このあたりから過去の災害復旧や河川改修による堤防護岸が両岸に現れてきます。井ノ山の直下を通り,高野へくると流路は急に南へかわり,このあたりから河岸平野は一段と広くなり,跡部と関市広見の境を南西へ大曲して南下し関市千疋で長良川と合流して,伊勢湾へと流れ下ります。武儀川や神崎川は所々に瀬や淵をつくり,岩場を流れる清冽な水は変化に富んだ両岸の風物と共に,四季それぞれの美しい景観をみせています。

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