岐阜県は昭和34年(7号台風および伊勢湾台風),昭和35年(11号,12号および16号台風),昭和36年(梅雨前線豪雨および第2室戸台風)と,3年にわたり大災害に襲われ,その被害は計り知れないほど多額にのぼり,岐阜県民,特に被災者を不幸のどん底に突き落としました。
 昭和34年は,8月12日〜14日にかけて7号台風の影響により西南濃地域に豪雨があり,各所に被害が発生しました。さらに,9月26日には伊勢湾台風)が岐阜県の西部という最悪のコースを通過し,各河川が著しく増水し,長良川,板取川が破堤したのをはじめとして,死傷者1,813人,住家全半失16,364世帯,住家浸水11,275世帯,490億円という県風水害史上最大の被害が発生しました。
 昭和35年は,11号,12号台風の影響で8月11日〜13日朝にかけ豪雨に見舞われ,特に長良川は伊勢湾台風時を上回る洪水となりました。13日関市保戸島および岐阜市芥見地区で同川は破堤,さらに流域各地も被害を被りました。重ねて8月29日〜30日にかけて台風16号の影響による集中豪雨が発生し,長良川は増水し郡上市白鳥町をはじめ各地に被害をもたらしました。
 昭和36年は,梅雨シーズンの6月25日に800ミリメートルに及ぶ県史上まれにみる豪雨が襲い,平野部の中小河川は増水し,各所で溢水あるいは破堤し,西南濃の平野部一帯は水につかり,13,000ヘクタールが長期にわたって湛水しました。台風期には9月16日第2室戸台風が室戸岬に上陸し,岐阜県にとって最悪のコースを通過し,郡上市をはじめ県下各地に風雨による被害をもたらしました。
 連年の災害はそれぞれ激甚であったため,国では特別立法措置を講じ,昭和34年および昭和36年発生災害については,被害激甚地に指定されました。3ヵ年の施設復旧費を事業別に見ると,土木施設復旧事業155億円,農地農業用施設復旧事業28億円,林地林業用施設復旧事業費28億円,合計211億円の膨大な額に達し,この復旧については緊要個所から早期完成を図り,各年災害ともだいたい4ヵ年で復旧が完了しました。

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