郡上市和良町の戸隠神社は明治七年に改称されるまでは九頭の宮(くずのみや)・九頭大明神と呼ばれており、秋の祭礼も地元では九頭の宮祭りと呼ばれています。 神社の歴史は古く、元寇の役(1275)の時に地頭の橘頼綱が国難退散祈願の大般若経600巻をこの神社に奉納した記録があり、今でもその一部が神社に残っています。
長良川とその支流の吉田川流域、現在の郡上市南部(旧八幡町・旧明宝村・旧和良村・旧美並村)と下呂市金山町の一部はかつて気良庄と呼ばれており、九頭の宮はこの気良庄の全体の総社としての地位を保っていたといわれています。
戸隠神社は宮地と上沢の二地区によって維持されており、祭礼もこの二つの地区が催してきました。以前は9月15日に行われていましたが、平成12年からは10月の第2日曜本楽、前日試楽となっています。
祭礼は、神輿の部・大神楽の部・伊勢神楽の部・曳き山の部からなり、東西から進んできた宮地・上沢両地区の神楽の行列が参道で打ち合い、神楽ばやしを奏でながら境内へと進みます。 行列が大鳥居にさしかかる頃が祭りの最高潮で、曳き山ばやしと大神楽、伊勢神楽のおはやしが交差して境内にこだまする中を山車(曳き山)が鳥居をくぐって広場に入り、続いて馬乗り、伊勢神楽が入りそれぞれの舞台へと収まります。 その後、拝殿で神事が行われ、境内の広場で大神楽が奉納されます。大神楽奉納が終わると境内の左右にある舞台では伊勢神楽が奉納され、続いて山車ではからくりが演じられ祭りは終了します。

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