郡上宝暦義民太鼓は,江戸時代に起きた郡上藩宝暦騒動を題材とした勇壮な太鼓です。
 郡上一揆とも呼ばれる郡上藩宝暦騒動は,郡上金森藩での年貢の税率の引き上げが発端となり引き起こされました。
 反対した農民たちは,連判状を作って団結し,抗議を繰り返しますが,訴えは聞き入れられませんでした。しかし,江戸評定所の目安箱に訴状を入れたことから調査が行われ,老中をはじめとする幕府指導者が免職,金森藩主はお家とりつぶしとなりました。幕府要人にまで裁きが及んだ一揆は,このほかに例はありません。
 郡上宝暦義民太鼓では,この一揆の様子を4つの場面に分けて演奏します。はじめに,農民の団結を表現した農民決起・傘連判状太鼓。必死の訴えを表現した直訴太鼓。一揆の最中に起きた内乱を描いた歩岐島騒動・乱闘太鼓。そして,一揆が終わって平和な時代が来たことを喜ぶ天下泰平・踊り太鼓です。
 郡上宝暦義民太鼓は,毎年,郡上市白鳥町で開催される「ふるさとしろとり夢祭り」で披露するほか,地元の子どもたちにも指導を行うなど,宝暦義民の功績を今も多くの人々に伝え続けています。

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