T.Nさん さつまいもと子どもたち

で、それで段々段々と、厳しくなってきて、18年頃からかな。サイパンが落ちた、ニューギニアで占領された、っていって、玉砕ちゅうのか。全部死んだ、死んだ、死んだちゅう話聞くようになってから、もう厳しくなって。こういう遊びもできなんだね。で、何をやったかちゅうと、さっきみたいに桑の木の皮をむいたり、どんぐりを拾いに行ったり、お母さんたは豆ひろいに行ったの?(いや、お茶のほぼ。)お茶ぼぼか。お茶ぼぼ取りに行ったり、そういうことを、やって。(そういうのを戦争中にやって、戦争が終わったら今度芋。芋ほりやら畑の耕しやら。)おじさんたは駅があって、ちょっと街やけども、富加でもほとんど百姓の人たちんたは山とかあるもんで。学校終わってどんぐり拾いに行ったって、どんぐりどこにあるや分からへんやら。ちょびっとしか持ってこれへんやら。ほうすると、帽子いっぱい持ってくるやら。そういうときに、「お前なんや」っていうのが、いじめやったんや。いじめって言っちゃおかしいけど。そう言って、「なんでよけ拾ってこんのや」ってやるもんで、うん。やられよった。