一番大事なこと忘れとった。おじさんたの5,6年時分は、こういう軍服を作るために、桑の木の皮むきをした。学校へ行って、勉強するんやねえ。各部落のお百姓さんのとこ行って、竹をこういうふうに挟んでね、縄でカンカンに縛って。竹を2本ね、ここを縄で2本だけ縛って、ここへ桑の木を入れてこちらにぐっと締めてね、締めれるように縄をこっちも巻いて。こうやってしごくと、皮だけになるの。桑の木の皮だけ残っちゃってね。それを何するかいうと、その繊維を送って、そういう軍服を実際作ったんやと思うんやけども。生地にするために皮向きに行きよった。(私らの、小学校1年生くらいの時は、お茶のほぼ。この花になる、芽になる種やね。あれをいっぱい拾い集めて供出したんやね。で何にするかゆったら、飛行機の油がないで、そういうのをたくさん集めよということでね、子どもんたがね、そこら中のお茶畑行って拾い集めて。)どんぐりもそうよ。どんぐりも拾ってね、それを出しよったの。どんぐりも飛行機の油になる。(とにかく油がないでっていって。飛行機の油がないでっていって。そういうことは、やったね。)だからおじさんたはね、もう5,6年なんていったらね、勉強全然しとらへん。ほとんどこういうことやら、あの竹槍持ったり、石を投げたり、そんなことばっかして。