A.Nさん 祈りを込めて

(これは貴重な写真やね。)これはね、ここの市長に最初見せたら、どうもちょっとグッと来たらしいもんで、ほんだもんで?神社へこれを見て初めて行ったらしいです。ほんで、神社へ毎年、今年も来てくれるかということでそれはどうや知らんけどね。これも、1番大事なたからやわね。

で、ここに日章旗があるでしょ。これはね、みんな寄せ書きって言ってね、おたくらでも卒業するときにいろんな友達やいろんな名前書いて進学頑張れよとかいう事を書く。ほれがね、近所の方あるいは親戚、そうした方名前が全部刻まれてね。頑張って行けよとかそういう激励の旗なんです。それから千人針って言って刺繍でね、敵に撃ち勝って来いというそういうのがあるといいんやけどな。ほんとはようわかる。(それぞれの祈りを込めて。)そういうことも、昔は風呂屋さんにたくさんあったわねそういうの。今みたいに個人の風呂はほとんどあらへん。ええとこの人しかあらへんなんだもんで、田舎は別として。うちらの方はお風呂屋さんでね、昔風呂五銭か十銭かしらんで風呂へ入らしてもらって、ほんでそこにそういう寄せ書きするとこがあったもんで。(千人針というのはね、ちょうどこれくらいの丸が千個打ってあって、その丸のとこへ針に糸を通して出して。これに糸をくるくるっと巻いてまたすると、こういうまるん中に糸がこんなんなったのができるわけよ。ほんでそれを例えばあなたにお願いするというと、じゃあこの出征する丹羽さんのお父さんが元気で働いてくださるように、という願いを込めてすると。そういう祈りを込めて千人の人がこういうのをしたと。それを丹羽さんのお父さんが体に巻いて行った。みんなが祈りを込めて。)そうそう。まあそれは、実物を見ると一番ええんやけどね。(まあないわねえ。)実物は岐阜の神社にあったかなかったかそれはしらんけどね。(例えば丹羽さんのうちに置いておれば残っとればあれやけども、お父さんが巻いて戦地へ持ってってまったから)体に巻いてね。(で向こうで死んでしまえば)それでしまいやわね。そういった、祈りを込めたちゅう。今は死にに、会社でも海外出張やなんかはそんなことしいへんしね。意味が全然違うでね。そういう点はね、昔の人は偉いもんやったと思ってね。そういうことで助け合ったということやね。ただ、死んでくるじゃないぞと。いう願いを込めて。