私がね、ちょうど中学3年を卒業した年の4月に、私は北朝鮮に行ったの。でなぜかというとそのころは、もう若い者は大東亜協栄、いわゆる中国も満州もそれから東南アジアも、アメリカとかイギリスとかフランスの植民地になって、みなそれで貧しい暮らしをしとるから、そういう人たちを自分で働いたら自分の利益になるような国にしようじゃないかとゆうことで若い者は満州行きなさいとか。そういう時代やったもんやで、その時のちょうど高等科2年の時に、あんたらは考えられんかもわからんけど、昔は映画を見るなんちゅうことはね、太田には映画館は無かったし岐阜まで行かな映画は見られなんだの。そういう時代やったから、夏休みにね、私は伊深村が1年に2回か3回学校の運動場にこう幕をして、映画会があったの。それはもう村中誰が来て見ても無料で。もう2時間か3時間の映画。そのときにニュース映画ちゅうのをね、20分か30分くらいやったかな。あのそういう今、こういうふうで侵略したわこれ落としたわちゅうふうに。ある鉄鋼会社が、大きな鉄の鉱石の山があると。その中に、一か所は製鉄工場で使うのがある。その当時の製鉄工事は35%以上鉄分が含まれてないと。高炉と言って、直径7,8メートルで高さは十何メートルのところへ鉄鉱石と、コークスって知っとる?コークスいったらね、石炭に熱を当てるとそのガスが出るんや。そのガスを昔はその都市ガスとして、一般の町の人が東京とか大阪の人がガスの栓をひねるとそのガスが出ると。そのガスは石炭を、700度800度の、熱するとガスだけ出る。煙だけ出した後に残ったのが炭やわね。ちょうど炭を作るのと同じ原理で残ったコークスと言う黒いパンみたいにあの、スポンジみたいに穴がいっぱい開いた塊があるんや。それを混ぜて、鉄鉱石というのは鉄の酸素と結合したの。だから酸素をコークスという炭素で、入れると燃えて炭酸ガスが出る。そうすると鉄が残るという。まあそういう原理でしとったんやけども、それが35%以下のものでは使いもんにならんと。だからそれをどうしたら使いもんにできるかということをいろいろ考えて、それを細かく粉にしてそれを水に溶かして。その水に発泡剤って言って今では洗剤入れるとすぐ泡が出るわね。そういう泡のできるものを入れて下から空気を送ると、ぶくぶくっと泡ができると。その泡の表面に鉄鉱石が集まるということを発見して。全体の中の3分の1、3分の2以上は石や。石の塊やわね。石の粉の中に20%から25%の鉄鉱石があるんやけども。泡さえ集めたら40%50%の鉄分が集まるということを発見して、それを製鉄工場でしますというのを、そのニュース映画で見たんや。