T.Nさん 予科練へのあこがれ

僕らはただ低学年の誘導したりなんかして。うちの親戚の若井っていうのがね、ちょうど予科練に入ったんや。7つボタンで。ちょっと暇なときあったのかしらんけども学校へ来たんやね。で学校で来てみんなで、生徒全部のとこで集めて挨拶してくれた時に、7つボタンでかっこよかったもんで、おじさんも、憧れてまって、「よし、俺も7つボタンに行くぞ」言って、要するに予科練ちゅうんやね。でそれに俺はなら絶対行くよっていって。でもう2年、戦争が続いておれば、おじさんたも、当然行っとる。もう18,9で飛行機乗って死んどる人はたくさんおるんやでね。で、今いくつ?14やな。18歳って言ったら4年やら。そんなころにはもう兵隊に行った人があるんやね。おじさんもそれで憧れて、おじさんたの時は今みたいに6・3・3制やないもんで、6年で高校行きよったんやでね。そんな時分やったもんで、6年生卒業したらもう早やそういう予科練の訓練を受けることもできるんや。そんな時分やもんで。やけども終戦になってまったもんで行かなんだけども。すごく憧れて、「よし、俺も予科練行くぞ」っていって、もう2年も戦争が続いとんならおじさんの命はあったのか無かったのか分からんわ。それくらい切羽詰まった状態やったんやね。日本はね。